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冴木杏奈


■冴木杏奈「Canto de Sirena 〜人魚の歌〜」

 レントラックジャパン RECS-0004(国内盤)2001年作品

 彼女はスペイン語でタンゴを歌う数少ない日本人歌手のひとり。そんな彼女の歌を初めて聴いたのは1980年の末ごろ。もう、場所はどこか忘れてしまったけど、深夜の12時を過ぎたえらく遅い時間に彼女のステージを見た記憶が残っています。

 その時、彼女のエキゾチックで緊張感のある歌声にファンになってしまった私は、さっそくCDを手に入れようと探しましたが、まだマイナーな存在だったからなのか、なかなかゲットできずにいました。

 で、彼女を次に見かけたのは、関西ローカルのTV番組のアシスタントとして出演している姿でした。う〜ん、やっぱり日本ではタンゴ歌手って無理なのかなと思い、チョッとガッカリしたけど、ちょうどそれが彼女のことを思い出すきっかけとなり、馴染みのショップに彼女のアルバムを全て注文しました。しかし、1988年の「ラプソディー・イン・レイン」と言うCDだけゲットできましたが、彼女のデビューアルバム(だったと思う)「タンゴ・プリマベーラ」は手にできず現在に至っています。

 その後、サントリーのブランデーのCMでタンゴが少し流行っていた頃、DNY(DESCARGA NEW YORK)と言うサルサ(?)のグループが1997年に「BESAME MUCHO」と言うアルバムをリリースし、そこで彼女のボーカルが少し聴けました。でも、そのアルバムの彼女の歌は今風で良いのだけど、私のイメージとはほど遠いものでした。

 それから4年と少し。彼女の事が記憶から消えかけていた頃にこのアルバムがリリースされていることを知りました。サルサでもなく、耳馴染みの良いスタンダードでもなく、彼女が追いかけていたタンゴのアルバムでした。それを知ったときは、驚きや嬉しさよりも、あぁ、まだタンゴの事を忘れずに歌ってたんだと言う安堵感の方が大きかった。

 このアルバムはピアソラの曲が多くて、私的にはあまり好きじゃないけど(笑)、聴いてみると、彼女の歌唱スタイルであるエキゾチックさや緊張感は以前とあまり変わってないけど、ずいぶんと大人になった彼女のボーカルに心を打たれました。

 子供の頃、近所の爺さんにアルゼンチンタンゴをしこたま聴かされ、タンゴに関して免疫のある私のような人間ならともかく(笑)、タンゴ、それもボーカルのアルバムなんてあまり万人向けではないかもしれないけど、大人が聴く音楽が少なくなったと思っている人達にぜひ聴いて欲しいアルバムです。

●Canto de Sirena 〜人魚の歌〜
1.Canto De Sirena(人魚の歌)
2.Los Pajaros Perdidos
 (失われた小鳥たち)
3.Preludio Para El Ano 3001(Renacere) 
 (3001年へのプレリュード)
4.Vuelvo Al Sur(南へ帰る)
5.Che,Paris(チェ、パリ)
6.Mi Vals(私のワルツ)

7.Barrio(バリオ/街区)
8.Las Ciudades(都市)
9.Oblivion(忘却)
10.Balada Para Un Loco
 (ロコへのバラード)
11.Canto De Sirena
 (人魚の歌/Japanese Ver.)


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